映画レビュー「おかしなおかしな大追跡」初見から30年以上、いまだこれを超えるコメディ映画は観たことないです!

思い出映画館

今回は映画レビューです。

私くまは、今でこそ映画を観る回数が減りましたが、30年前の20代の頃は結構むさぼるように映画を観ていた時期がありました。

・・・私が上京した1980年代半ばには、今の若い方はご存じないでしょうが「二番館」「名画座」と呼ばれる映画館が東京のいたるところにありました。

「二番館」とは、封切りから数か月経った人気映画を封切り当時から比べ格安で鑑賞できる劇場です。

そして「名画座」とは、それ以上の年月を経た映画をさらに格安で鑑賞できる劇場でした。私の記憶では「2本立て500円」とか「3本立て700円」とか「土曜オールナイト4本立て1000円」とかだったように記憶しています。

それ以外にも映画を観る機会としては、抽選で当選したら無料で観られる「試写会」もありました。(くまは「スタンド・バイ・ミー」等を観ました)

各家庭にビデオデッキが備わった時代からレンタルビデオ店が隆盛を極めた時代を経て・・・いまや家に居ながらにして映画が楽しめる時代になりましたよね。

それはそれで素晴らしいことなんですけど・・・あの頃私が感じていた映画館とか試写会の会場に向かう時のワクワク感って、もう味わうことができないんだなあ・・・って寂しさもありますね。

私は特に名画座で映画を観るのが好きで、今でも思い出に残っている劇場は、改装前の「池袋文芸坐」「三鷹オスカー」「新宿昭和館地下」「中野名画座」「国立スカラ座」「大塚名画座」「高田馬場パール座」・・・おっと、キリがなくなりそうなのでこのくらいにしておきますが、とにかく魅力的な映画館がたくさんありました。

今回取り上げさせていただくのは、実は一回しか行ったことがないくせにそこで観た映画があまりにも面白すぎたので特に印象に残っている映画館、「荻窪オデオン座」です。

鑑賞した映画は名作コメディ「おかしなおかしな大追跡」原題「What’s up,Doc?」(1972公開)。

監督は名匠ピーター・ボグダノビッチ。主演バーブラ・ストライサンド、ライアン・オニールのコンビです。

ストーリーはこんな感じです。(Wikipediaより)

サンフランシスコに4人の男女がそれぞれ違う目的で同じ型の旅行鞄を持ってやって来る。百科事典を入れて放浪の旅をしているジュディ、学会で認めてもらおうと石を入れてやって来たハワード、大金を入れているヴァン・ホスキンズ夫人に政府の極秘文書を入れているスミスだ。

この4人が同じ高級ホテルに宿泊し、ひょんな事から鞄が入り混じってどれが誰のものか分からなくなってしまった事から大騒動になり、ジュディとハワードはサンフランシスコの街を舞台に追いつ追われつの大追跡を繰り広げる事になる。

・・・別にこんなあらすじ頭に入れておかなくても全然楽しめます。

坂道が印象的なサンフランシスコの街を舞台に、イケメンのライアン・オニールの生真面目さと、小悪魔的なバーブラ・ストライサンドの掛け合いが最高です。

私くまは、自慢じゃないですけど自分の感情をコントロールするのには昔から自信がありました。

・・・しかしこの映画の中盤、ある裁判所のシーンで、平日のレイトショーで観客は10人くらいしかいなかったその劇場で・・・

「ウヒャヒャー!!!」

・・・って状況もわきまえず大声をあげて笑い転げてしまったんですよ!!

・・・当時22歳頃だったと思うんですが、ホント生まれて初めての経験です。

自分の感情が弾け、こんな自制のきかない笑い声を発してしまったことに少々ショックもあったんですが、映画はそのあと怒涛の終盤になだれ込みます。

・・・そして圧巻のカーチェイスの場面を経た後、幸せな感情があふれ出すラストシーンを迎え、夢のような気持ちで劇場を後にしました。・・・当然その劇場はいまはもう存在しませんが。

その頃の若かった頃のいろいろな鬱屈が、その一瞬だけ吹き飛んでしまった・・・。

そんな印象が強い映画を観せてくれた映画館ということで、今回この映画と劇場をご紹介させてもらいました。

・・・どなたかが書いておられましたが、「三谷幸喜さんが好きな方なら絶対ハマる」・・・超同感です!!

ネタバレにつながるような話は一切書いてませんが、私のつたないお話に何か感じて頂ける方は、ぜひとも一度鑑賞してみてください。

ありがとうございました!

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