こんにちは、くまです。
今回は「男はつらいよ」のロケ地巡りをした際のレポートとなります。
下記の以前書いた記事でも少し触れたんですが、1978年に大井川流域で「男はつらいよ」シリーズ第22作「噂の寅次郎」のロケが行われました。
印象的な場面も多いそれらロケ地は、40年以上たった今でもほとんど変わらない姿を残していました。
フィルムに刻まれた場所とその現在の様子を比較しながら、大井川流域の魅力についても触れていきたいと思います。
まずは序盤、些細なことでまたしても実家を飛び出した寅さんが現れたのは、島田市の蓬莱橋でした。
島田市と牧之原市の間を流れる大井川にかかるこの蓬莱橋は、何と明治12年にできたもので、何度もの流失や崩壊を経験してもその都度再建され、現在でも普通に利用できる橋なんです。1997年には「世界一長い木造の歩道橋」としてギネス認定されています。長さは897.4メートル(厄無し)なんだそうです。
この橋の上で寅さんは通りがかった旅の僧(大滝秀治)に「あなた、女難の相が出ておる」と言われます。
・・・なんとも趣のある場所ですよね。
ここが今どうなっているかというと・・・
なんとなく橋を支える部分が当時より少し強化されているように見えますが、ほぼ変わりがありませんね。この時は何かの修理をしていたようで、半分から先には行けないようでした。
綺麗に整備されていますね。
ちょっと反射して見にくいですが、通行料金は大人100円・子供10円・自転車100円でした。
お茶がいただける設備も立派でした。
次の場面では川の近くのどこかの神社のお祭りの縁日で寅さんは本業にいそしんでいました。
・・・わかりますかね?真ん中右端ではちまきを締めて水色のシャツを着ているのが寅さんです。
この日は寅さんの売口上に集まったマダムたちに時計バンドをセールスしていました。
・・・この頃の年配女性って本当に「おばあさん」って感じですね。なりふりかなわずに戦後の混乱期を一生懸命に生き抜いてこられた年輪がいい感じで刻まれているようですね。
・・・さて、この神社が今どうなっているかというと・・・
昔の写真と並べてみますね。
・・・あれっ!?昔右奥にあった川が今はなくなってますね!!
それだけでずいぶん雰囲気が違って見えますね。
・・・実際には近くに行ってみたら、用水路のようなものがありましたので、完全になくなってしまったわけではなさそうでした。
ちなみにこの場所は・・・
島田駅近くに島田大祭で知られている「大井神社」がありますが、こちらの「村社大井神社」はネット上にほぼ情報がありません。
今回の訪問は平日の午前中でひっそりとした雰囲気でしたが、今でもお祭りの日には映画のシーンのような賑わいが見られるのでしょうか・・・。
さて、次のシーンです。
なぜかダムの事務所のようなところで食事をさせてもらった寅さんが事務所の階段を降りると、ダムの真ん中で何やら思いつめた様子で水面を見つめる若い女性(泉ピン子)を見つけてしまいます。
一度は立ち去ろうとした寅さんですが、「女難の相か・・・」とつぶやいて女性に近づきます。
そして女性にハンカチを手渡して「何かわけがあるんだろ?俺でよかったら話を聞かせてくれないか?」と声をかけたのです。
この場所は今はこうなっています。
・・・こちらもほぼ変わっていませんね。橋のたもとに標語が掲げられているのも一緒です笑。
寅さんが降りてきた事務所もたぶん全く変わってませんね。
ちなみにこのダム周辺の水の色がすごいですよ。見事なエメラルドグリーンです!
いつもこうなのかは保証しかねますが、一見の価値はありますよ。
さて、このあと寅さんは、泉ピン子を慰めるためにある食堂に連れていくんですが、この先は中篇をご覧ください。
ありがとうございました!